インプラント 東京を発表
ソーシャルワークも、利用者(クライエント)の生活上で必要なサービスを提供していくことに変わりはなく、そのサービスが高齢者や障害者においてはケアの占める比重が多くなるというだけにすぎません。
実際にケアマネジメントに必要な主要な技法のほとんどはソーシャルワークの中にあるといってよく、簡単にいえばケアマネジメントとは、ケースからケアへと思想的な転換を含んだソーシャルワークの一種といってよいでしょう。
ソーシャルワークの高齢者版ともいえます。
利用者のニーズに基づいて、さまざまなサービス(ケア)を合理的・効率的にマネジメントしていくという考え方は、本来は家庭で生活している寝たきりや痴呆の人びと及びその家族(在宅の領域)を対象としています。
なぜなら、在宅生活の利用者にはさまざまなニーズがあり、利用者によって個別性があると同時に多様でもあるからです。
ある利用者は食生活を支援する必要(ニーズ)があり、他の利用者は食生活には問題ないかわりに閉じこもりがちのためデイサービスなどの必要がある、あるいは経済的な援助が必要な例もあります。
在宅生活者とその家族には、このようにそれぞれに異なるニーズがありますので、そのニーズを正しくとらえ、各種のサービス(ケア)を効率的に運用していく仕組みが必要となります。
一方、老人ホームなどの施設生活では、生活の基本となる衣食住は保障されており、問題となるのは身辺介護の方法や余暇時間の過し方といったものになります。
ただし、たとえば老人保健施設のように一定期間の入所後に在宅生活が予定されているような例では、その在宅生活への円滑な復帰とその継続の支援を行うためにケアマネジメントの考え方が必要となってきます。
いずれにしてもケアマネジメントは、現在在宅生活を送っている人や近い将来在宅に戻る人々、つまり在宅を対象とする領域だといえます。
るために解決すべきニーズで、個々の利用者と家族の状況によってニーズとして存在したりしなかったりするものです。
それぞれのニーズに応じてどのようなサービス(ケア)を行えばよいかを判断していくのがケアマネジャーの役割になります。
サービスの申請が行われると、ケアマネジャーが訪問するなどしてその利用者の生活上の情報を知りニーズは何かを判定します。
この作業をアセスメントといいます。
ニーズを把握したらその解決に必要なサービスを計画します。
これを(介護)サービス計画と呼びますが、通称ケアプランとも呼ばれています。
次にはそのサービス計画に従って、必要な職種(訪問看護やホームヘルパーなど)あるいはサービス機関(デイサービスや配食サービスの機関や組織)によってケアチームがつくられ、利用者の紹介とサービス計画の目標と内容、各職種の役割分担などを決定するのがケアカンファレンスです。
この会議で各専門職からの意見でサービス計画の一部が修正されることもあります。
こうしてサービス計画が決定したあと、各職種がそれぞれのケア計画(看護計画や介護計画など)を作成します。
そしてサービス(ケア)の実施(提供)となっていきます。
サービスが実施されてから、それが目的にそって効果的に行われているか、利用者が満足しているか、などを確認していく作業をモニタリングといいます。
医師が処方した薬の効果を知るために診察するのに似ています。
モニタリングでサービスの効果がなかったり、利用者が不満を持っているときなど、あらためてサービス計画を点検し、ときには変更する必要があります。
こうしてケアマネジメントの目的である自立とQOLが、合理的かつ効率的に達成されていくことになります。
日本では介護保険とケアマネジメントは一体として施行されました。
介護保険は、介護サービスを従来の税金によらずに「社会保険」として、医療保険と同じような方式で行うもので、ケアマネジメントとはもともと別の次元のことで本来はこの2つは関係がありません。
英国ではケアマネジメントの体制をとっているものの、介護保険ではなく従来どおり税金方式のままですし、介護保険を実施したドイツではケアマネジメントを制度として実施していない、という例をみても明らかです。
また、ケアマネジメントから離れて、地域でくらす寝たきりや痴呆の方や障害者の方にとって、その生活に必要なサービス(ケア)には、いわゆる公的サービス、民間事業体によるサービスのほかに、ボランティアなどの住民組織によるサービス、さらには近隣の人びとのちょっとした善意の支え合いといったものを必要とします。
これらの各種のサービスを、個々の利用者に応じて、これまでに述べたニーズに基づいて組織化し提供していくのが本来のケアマネジメントといえます。
またその対象は、何らかの社会的サービスや援助を必要とするすべての人であるべきことはいうまでもありません。
実際に英国ではケアマネジメントの行われるコミュニティーケアの対象には、高齢者や障害者はいうまでもなく、精神障害者、薬物やアルコール中毒者、心身障害児、エイズ、ホームレスなどあらゆる人びとが対象となっています。
上記の面から日本の介護保険とケアマネジメントでは、その対象が2つの点で限られているといえます。
その1つは、介護保険が65歳以上の高齢者と40歳以上64歳の特定の病気による要支援・要介護者に限られているということです。
もう1つは、ケアマネジメントは、制度上「介護保険で提供(給付)されるサービス」に限られているということです。
介護保険で提供されるサービスでさえ、当面の間は社会的需要には不足しているということを除外して考えても、実際に介護保険だけで必要とされる生活支援を行うことはできません。
各自治体では、介護保険外で提供すべきサービス(基準外サービス)の整備を同時に行っていることがよく知られています。
さらに、NPOをはじめとする各種ボランティア団体(組織)、近隣の人びとによる個人的な善意行動もそれぞれ重要なサービスの担い手であることも明らかです。
このような状況を見たときに、本来は別のものであった介護保険とケアマネジメントの関係を、具体的にいえばケアマネジメントを介護保険サービスの枠の中にとどめるか、基準外サービス、ボランティア、近隣の人びとの善意行動までを含めた幅広い分野で展開するかどうかは実際上大きな分岐点となります。
このことは、ケアマネジメントの中心的な役割を担うケアマネジャーの専門職としての役割認識に負うところが大きいといわねばなりません。
ケアマネジャーこそが、提供するサービスを介護保険の枠内で行うか、広く地域の資源までに拡大していくかの具体的な鍵を握っているからです。
介護保険の枠内でのサービス(ケア)のマネジメントを「狭義のケアマネジメント」、広く地域全体をもとにした本来のケアマネジメントを「真のケアマネジメント」と呼ぶとすれば、十分な生活支援は後者においてはじめて可能となります。
このことは地域におけるサービス資源の開発を必然的に伴うことになり、コミュニティーケアへと一歩前進していくことにはかなりません。
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